子兎さんは俺様総長のお気に入り
「わぁ、すごい!」
SNSでよく見る部屋だ!
同じ家具なのに全然違う!
トイレもピカピカで綺麗で、窓から見る景色はさすが最上階と言っていいほど見渡せる。
キッチン類は、この右のドアにあるって言ってたよね?
「…え?」
私の想像と違い、キッチンは確かにあるけどどう見てもこれはリビング……。
黒で統一されている。
「もう自分の部屋は見たのか?」
「な、なんであなたがいるの!?」
「なんでってここは俺の部屋だからだ。」
「さっき、リビングから右のドアはお風呂とかキッチンがあるって……。」
「共同だ。」
やられた。
できるだけ、この人といる時間を減らしたいと思っていたのに……。
「これじゃあ、ほぼ毎日わがまま最低男と顔合わせることになる。」
……て、私今心の声言っちゃった?
言っちゃったよね?これはまずい。
そろりと島崎理王を見ると笑顔だった。
「あの、今のはちょっと違くて!
あなたの事じゃなくて、友達だからきにしないで!」
「この状況で友達の話?違くないだろ?」
あぁ、今度こそ私の人生さよならだ。
暴走族総長に目をつけられるなんて、今日が命日だ。