子兎さんは俺様総長のお気に入り
やっぱり好きになれない!
嫌い嫌い嫌い!
「早速なんだがちょっと急ぎでついてきて欲しいところがある。」
「え、今から?」
今の時間は夜の7時。
いつもならご飯を食べている頃。
「これ被って。」
外へ出て渡されたのはヘルメット。
素直に被ったけどこれって?
「乗れるか?」
「乗れるというか乗っていいの?」
乗れるか聞いてきたのは大きなバイクのことで、まず高校生がこれを乗っていいはずがない。
「ああ。」
「ああじゃなくて!
免許ないでしょあなた。」
「問題ない。行くぞ。」
私の話に聞く耳を持たずに、ひょいっと軽々しく私を持ち上げてバイクへ乗せる。
「ぎゃぁぁぁ!
怖い怖い怖い!もっとスピード落として!」
「これくらい普通だ。慣れろ。」
初めてのバイクは、明らかにスピード違反で私の体にバイクから落とすような風が当たる。
どうにか振り落とされないように、彼の背中にびったりくっついてきつく抱きついた。