子兎さんは俺様総長のお気に入り
3.黒龍のお姫様



「はぁ……やっと着いた…?」





「気が強いくせして意外とビビりだな。」






「ねぇ、喧嘩売ってる?」






「いや?」





何なの?
いきなり乗ったことないバイクに乗せられてスピードなんか出されたら誰だって怖い。




到着した場所もそんなに遠くではないけど、当たりは何もなく数十台のバイクと大きな倉庫がポツンとあるだけ。






「着いてきて欲しいところって倉庫しかないけど…?」






「ここだ。黒龍は基本ここにいる。」





溜まり場ということは、湊さんもここに?

それは嬉しい!私の推しだもん!





「いったーいっ!

ちょっと島崎理王!いきなりデコピンなんて信じられない!」







「俺以外のこと考えてただろ?

ペナルティだ。俺の事だけを見てればいい。」





島崎理王ってエスパー?
私の考えていることがわかるなんて。



前髪の上からだったけど、人差し指で弾かれてじーんと痛む。




少し赤くなってるであろう額を擦りながら、彼の後を追う。
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