子兎さんは俺様総長のお気に入り
「全員座れ。本題に入る。」
やっぱり、こんな俺様でも総長なんだと思わせられるほど風格がある。
たった一言で、一瞬にして空気が変わった。
なに…この緊張感。
この後何があるかわからないからか、私にまでその緊張が伝わってくる。
丸い机を上から見下ろすと、12時を指す場所から時計回りに島崎理王、私、大翔、蓮さん、健太くん、湊さんで座っている。
「早速だが、本題に入る。
まず、2ヶ月前にどこかの族が雇った組の者に襲われた。」
「……。」
顔色ひとつ変えずに黙って聞いている。
恐らく全員知っている話だ。
私も多分知っている。
初めてこの地に引っ越して来た時に、彼を助けた日。
「その後も黒龍の部下が何人も襲われている。
全力で正体を調べているが何一つとして情報が掴めていない。」
「今まで襲われた部下たちの話によると全員1人になった時に狙われているのが一致している。
黒龍に恨みがあるか、ただ単にNO.1の座を狙っているか……。」
島崎理王の隣でパソコンを見ながら、湊さんも真剣な顔で話す。