子兎さんは俺様総長のお気に入り
初めて島崎理王と会った日、物騒で怖かった。
私が住んでいたところでは喧嘩はするけれど、血が出るまで争うことはない。
誰かが間に入れば、お互い頭が冷えて気づいたら仲直りしている。
けれど、ここは違う。
そんな生温い喧嘩じゃない。
「うさぎ、これは拒否権なしだ。
受け入れるか、無理やり受け入れさせるかの2択。」
「どうして私なの?」
漆黒の瞳が私に迫る。
「気に入ったから。」
「そんな理由なら尚更無理。」
「じゃあ、無理やり受け入れてもらう。」
指と指が絡み、そのまま手を引かれる。
扉を開けて見下ろすと下には大勢の人集りがあった。
例えると、全校集会で教壇に立っている校長先生のような気分。
「急に集まってもらったのは俺の隣にいる彼女が姫になるからだ。
彼女の名前は花森うさぎ。
お前ら全力で守れ!
後のことは、湊からこれから話がある。」
無理やり受け入れさせるってこーゆー事!?
むちゃくちゃ過ぎる……!
島崎理王はそれだけ伝えると私の手を握ったまま先程いた部屋へ戻る。