子兎さんは俺様総長のお気に入り
「うさぎ、帰るぞ」
「えぇ、また理王のバイクに乗るの…?」
さっき明らかにスピード違反のバイクに乗って怖かった。
「さっきは急いでたからだ。」
あ、そういうこと……
帰りは急ぎじゃないからゆっくりにしてくれるんだ。
みんなに挨拶をしてから、理王の後に続いて部屋を出てバイクがある場所へ向かう。
その間にも下にいた人達にうさぎさん全力でお守りしますからねと言われながら……。
………………。
「ちょっと!理王!!
速い怖い帰りはゆっくりなんじゃなかったの!?」
バイクに乗せてもらってからすぐに、ゆっくり動く素振りを見せず行きと同じスピードだった。
「行きは急いでたからって言っただけで帰りはゆっくりにするなんて一言も言ってない。」
「もう!怖いって言ってるのに理王のばかたれっ!」
私は片手でポカポカと理王の背中を叩く。
「おい、叩くなよ。
風が当たってこっちのが気持ちいいだろ。」
「風が当たって落ちそうだよ……っ!」
「大丈夫だから顔上げろ。
絶対に振り落とさねえから。」
理王の背中にべったりくっついていた顔を言われた通りあげる。
「うわぁ綺麗!」
街の灯りが光り輝いて、宝石がキラキラしているようだった。