子兎さんは俺様総長のお気に入り
夜景を見て…姫というものになってから2週間が経過した。
「んもう!なんでいつも授業中に呼び出すの!?」
ドタドタと階段を登り、勢いよく屋上のドアを開けながら彼を睨む。
何の悪気もないですという澄ましてる顔を見たら、余計にムカついてくる。
「今日はいつもより来るのはやいな。」
「何呑気なこと言ってるの!
こっちは授業があるの!しかもよりにもよって私の苦手な数学の時間に呼び出すなんて信じられない!」
ノートに必死に書き写してたら、胸元のポケットからバイブの音が聞こえて確認すると、
“屋上に3分以内”
ほんとに有り得ない!
「まぁ、そう怒るな。あとで見てやるから。
それより……」
「わぁあっ!?」
いきなり腕を理王の方へ引き寄せられて、バランスを崩してしまう。
支えられたかと思いきやがっちりホールド。
「ちょ、いきなりなに!?」
「ん?」
ん?じゃないよ....。
あまりにも優しい表情で見つめてくるから、もっと文句が言いたいのに何も出てこなくなっちゃった。
「あれ〜?2人いつの間にそんな仲になったの?」
ギギっと屋上の重たい扉が開く音と同時に聞き覚えのある声に振り向く。
そこには幹部達がからかうような笑顔で近づいてくる。
「これは違くて·····!」