子兎さんは俺様総長のお気に入り
4.悪質な嫌がらせ


***



1日が終わって理王のマンションへ帰ってきた。



制服がシワにならないように私服に着替えて、彼の帰りを待つのが日常。



なんで待たなくちゃなんだろうって毎日思うけど、あのくだらない俺様ルールの条件。




いつものようにブラウスを脱いで、トレーナーを着ようとした時にガサガサっと背後から音が聞こえる。





「な、なに……!?」




恐る恐る振り返ると誰もいなくて、ほっと息をつく。





「なんだ気のせいか……じゃない!」




田舎育ちで虫とか爬虫類とか、ほとんどの女の子が嫌がる生き物は大抵大丈夫なんだけど。




どうしても苦手なものが部屋にいて。





「ゴ○ブリだけは無理!お母さん、出た!


って、いないんだ、どうしよう。」




その場から動けずに、でかい独り言を言ってる私。



今は、真剣だけど後々振り返るとアホだよね。




理王に連絡して早く帰ってきてもらおう。




すぐにスマホで彼に連絡するために画面を開く。



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