子兎さんは俺様総長のお気に入り
通話ボタンを押そうとした時にタイミング良く、隣からガチャっと扉の開く音がした。
「うさぎ、帰った」
いつもなら私も今帰ってきたところって言うはずだけど……今日は見逃して欲しい。
ゴ○ブリとにらめっこして対峙していたけど、扉が閉まる振動で飛んだ。
「ぎゃぁぁぁっ!!」
すかさず片手に携帯を握りしめて、理王の部屋へかけ出す。
理王の姿見るなり、余裕がなくてお母さんに縋り付くように抱きついた。
「おわっ、どうしたうさぎ?」
「理王、助けて。私の部屋に……っ!」
「お前の部屋がどうした?」
彼の腰に腕を回してびったりとくっつくと、彼も私の頭を撫でて落ち着かせる。
「ゴ○ブリがいるの!
私、虫全般大丈夫なんだけど、どうしてもゴ○ブリだけは無理!」
「わかったから落ち着け。
まず、これ着てて。
俺は全然大歓迎だけどこの状況で襲うほど飢えてないからな。」
「襲うってどういうこと……?」
理王のブレザーを渡されて頭にはてなマークが浮かんでいた。
彼の視線を辿ると私の身体だった!
……っ!?
「ちょ、どこ見てんの!」
「おい、おま、その格好で俺に抱きついておいてそれはないだろ?」
「だって、着替えてたらいたんだもん…!」
「ったく、お前の部屋入るからな。」
うわぁ最悪だぁ。
そういえば着ようとしたトレーナー結局着ずに、奴と対峙してたんだった…!
思い出すと恥ずかしすぎる。
今すぐ穴があったら入って誰か埋めて欲しい。