総長たちによる彼女のためのハロウィン祭り
バシバシと、身長百八十センチが互いを叩き合う様は、見ているだけで怖い物で。
周りの乗客は、二人から少しずつ距離を取る。
だけど、そんな中。
「ん」
さすがというか。なんというか。
生吹の右腕である一輝。この人物だけは純弥に近寄り、右手を出した。
「なに、この手は」
「なにって、飴代です。五千円」
「ご……⁉」
一日のバイト代よりも高い!!――と口にした純弥に、一輝はあっけらかんと言ってのける。
「飴が多い方が、美月も楽しいかなって」
「美月……」
これが惚れた弱みなのか。
純弥は自分のスマホを確認した。そして一輝の連絡先が登録されている事を確認し、