総長たちによる彼女のためのハロウィン祭り



【 時間になっても集合時間に現れない人は、次回大物獲りの下調べ役になってもらう 】



「げ……⁉」



生吹のいう「大物獲り」とは、悪事を働いている暴走族の総長のことをさす。


つまり、総長が悪い事をしていないか、端から端まで調べてくる役――それが下調べ役なのだ。


といっても、地味で手間のかかる作業なだけに、誰もが首を振る役だ。


もちろん蒼羽だって「やらない」と、今まで五十回は断って来たほど、面倒そのものなのだ。



その面倒な役に抜擢されるか、生吹の元へ行くか――二つに一つ。



「……はぁ、ズル。やっぱり春風は嫌いだよ」

「本心じゃないくせに。いってらっしゃーい」

「……いってきます」



時計を見て、残りわずかだという事に気付き、蒼羽は急いで準備を終える。


だけど玄関のドアを開ける際、「明里」と。彼女の方を振り返った。

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