総長たちによる彼女のためのハロウィン祭り

「これからいい所に行くらしいから、楽しもうぜ」

「どこに行くか知ってるの?」

「知ってる、ってか分かる。生吹を見ろよ、すごいワクワクしてるだろ? この後なにをするか、手に取るように分かるっての」

「……」



どこが?


というのが、蒼羽の本音だ。


一輝と生吹は仲が良いこそ分かる「何か」があるかもしれないが、こちとら生吹率いる暴走族に参加した新参者だ。きちんと言葉にしてくれないと、伝わるもんか――なんて。


そんなぶーたれた不満顔がもろに出ていたのか、一輝は「おい、顔」と蒼羽を見て吹き出した。



「ま、きっとお前も楽しいと思うぞ? 夜野」

「え、俺?」

「そーそー。ま、ついて行きゃ分かるって」



そう言われて大人しく着いて行くしかなく。

そして、着いた先は――

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