総長たちによる彼女のためのハロウィン祭り

そこからは怒涛の衣装探し。


美人ゆえに何を着ても似合いそうな美月に、数量限定で衣装を決めるのは骨が折れた。

だけど生吹と一輝、「あーでもないこーでもない」と言いながら、何とか衣装を決め終える。


二人がレジに並ぶと、前に並んでいたのは、なんと蒼羽。



「決まったのか、夜野?」

「たぶん明里に怒られるだろうけど……、いいもの見つけた」



明里の事を思い出しているのか、しまりのない顔になった蒼羽。

そんな蒼羽を茶化すためなのか、それとも本心なのか。生吹は真顔で、こう言った。



「彼女に盲目になるのも、ほどほどにしろよ」

「……」
「……」



日ごろ頭の中に美月しかいない生吹が、何を――と一輝と蒼羽は唖然とする。

けれど我慢ならなくなった二人から、


「どの口が言ってるの」
「お前もな、生吹」


と。生吹は二人にツッコミを入れられるのだった。

< 37 / 78 >

この作品をシェア

pagetop