総長たちによる彼女のためのハロウィン祭り
伊織が言うには、どうやら純弥は時間に遅れるような人ではないらしい。
むしろ絶対に早く来て、来る人を待っている派だとのこと。
「へぇ、そんな意外な一面が」
『純弥は、基本的に優しいよ。生吹を除いて、だけど』
「……」
黙った生吹に、伊織は「どうしようかな」と迷っていた。
待つか帰るか、それとも探すかの、どれかで悩んでいるらしい。
『遅れるってメールもないから、ちょっと心配なんだよね』
「随分、”白いの”の事を信用してますね」
『まぁ、友達だからね』
電話越しでも、伊織が柔らかく笑ったのが分かった。
生吹は「自分と一輝みたいなものか」と思ったら、どうにも放っておくことは出来ず……。「探しましょうか?」と提案する。