総長たちによる彼女のためのハロウィン祭り

生吹の言葉に、一輝と蒼羽の顔つきが変わった。二人とも、さっきまでのお気楽脳ではなくなったらしい。


が――「しかし」と。生吹は頭を悩ませる。



そう。明日は美月が主催と言ってもいい、ハロウィンパーティー。


その大事なパーティーを、こんなジメジメした空気で開催するわけにはいかない。

重たい空気を美月が好むわけないし、この事実を知ったらすぐに、



『パーティーしてる場合じゃないよ、生吹くん! 皆が危険な目に遭うかもしれない、守らなきゃ!』



なんて言いそうだし。

たくさんパーティーの準備をしているだろうし、今更……ましてや当日に「中止」なんて事になったら……美月が落ち込むのは必至だ。




それだけは、避けなければ――



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