総長たちによる彼女のためのハロウィン祭り
「……」
「……」
一体だれのせいで買い物をしないといけなくなったんだと、一輝と蒼羽は激しく言い返したかった。
だけど、さっきまでの重たい空気をガラリと変えた生吹は、まさに総長の貫禄。
さすが。長い間、玉座に座って来ただけはある。
今、自分がどう動けば最善なのかを、常に把握している。一瞬にして流れをいい方向に変える天才だ。
「で、俺って結局、何着(なんちゃく)買ったんだっけ?」
「生吹、その袋の重みを感じてないわけ? ビニール袋の取っ手、ありえねぇくらい伸びてるぞ」
「それだけ美月さんに着てもらいたい服があるってこと? うわぁ……」
もれなくドン引きした蒼羽。
その時、自分のスマホに、ピロンとメールが入る。送信者は……