総長たちによる彼女のためのハロウィン祭り
「ピニャータしていいの? やったぁ! じゃあ、皆を呼ぶね、楽しみ!」
「わー楽しみだねー」
楽しみの「た」の字も思ってない表情をする生吹。
それもそのはず。
生吹にとって美月が全てで、ハロウィンパーティーだって美月がいれば、あとの誰もいらない……なんて。
そんな激しい独占欲にかられているのだから、皆がワイワイ集まるパーティーが楽しみなはずがなかった。
「ねぇ美月。呼ぶメンバーってさ、」
「あ、生吹くん! どうせなら仮装しようよー!」
「……ふ、そうだね」
目の前ではしゃぐ、可愛い彼女。
そんな彼女を前にして、「アイツは呼ばないでね」なんてちっぽけな事は言えず。
「楽しみだね、美月」
「うん!」
ふわっと笑った生吹。
その笑顔にうそ偽りはなく――
むしろ、生吹自身も美月の仮装を想像して、少しワクワクするのだった。