婚約者候補は幼馴染の執事達⁈

第十章

◯家の玄関 (夜)
妃那乃「ただいまー」
執事・メイド「お嬢様!よくご無事で…おかえりなさいませ」
妃那乃「心配かけてごめんなさい。みんな、ただいま」
満面の笑みで笑う妃那乃。


◯妃那乃の部屋 就寝前
妃那乃「はぁ…なんだか今日は疲れたな」
妃那乃はベッドに横になる。
響希「…お嬢様、もうお休みになられましたか?入ってもよろしいでしょうか?」
響希の声に慌てて体を起こす
妃那乃「大丈夫よ、どうぞ」
響希「失礼します」
妃那乃「響希、今日はありがとうね」
響希「いえ…私は何も…お嬢様がご無事で本当よかったです」
少し悲しそうな顔をする響希。
妃那乃「響希?どうかした?」
響希「いえ…朔弥と湊斗は私と違って武道に欠けてるので…何の躊躇もなく犯人もやっつけるし…それに比べて私は何も…」
妃那乃「響希。響希には響希のいいところがあるじゃない。優しくてしっかり者だし頼りになる。ね?何もなくないでしょ?」
微笑む妃那乃を響希が抱きしめる。
響希「…すみません、お嬢様。少しこのままでいさせてください」
妃那乃「…うん」
妃那乃は響希を抱きしめ返す。

◯玄関(朝)
妃那乃「あれ?響希出かけるの?」
響希「あっおはようございます。えぇ、ちょっと…」
妃那乃「そうなんだ。気をつけてね」
響希「ありがとうございます。行ってまいります」
妃那乃が手を振りながら響希を見送る
響希が玄関のドアを閉める
湊斗「ありゃ…女だね」
妃那乃「湊斗⁈いつの間に⁈」
背後から抱きしめてくる湊斗に妃那乃が驚く
湊斗「ん?さっきからずっといたのに響希ばかり見てて全然気づかないんだもん。昨日だって抱き合ってたでしょ?」
妃那乃「え⁈見てたの⁈」
湊斗「扉の隙間少し開いてたからね。それも気づかないなんて…抱き合うならもっと扉ちゃんと閉めておいてよね。こっちはそんなの見たくないのにさ」
妃那乃「抱き合う、抱き合うって…変な誤解しないでよ!それに見たくないなら見なきゃいいじゃない」
湊斗「…仕方ないでしょ。気になるんだから」
湊斗が妃那乃に聞こえないくらいの声で言う。
妃那乃「え?」
湊斗「ねっ、今日ひま?僕にちょっと付き合ってよ、行きたいところがあるんだ」
そう言って湊斗は強引に妃那乃を家から連れ出す。
妃那乃「え⁈ちょっと待って、湊斗⁈」
湊斗は妃那乃の声に耳を傾けず妃那乃の手を引っ張りどんどん歩いていく。
湊斗「着いたよ」
妃那乃「ここって…水族館?」
湊斗「うん、ずっと妃那乃ちゃん行きたがってたでしょ?」
妃那乃「そうだけど…何で?」
湊斗「別に?」
妃那乃「…もしかして昨日のこと気にしてくれてるの?」
湊斗「だったら何?」
湊斗が少し赤面しながら言う。
妃那乃は微笑む。
妃那乃「ありがとう」
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