婚約者候補は幼馴染の執事達⁈

第十四章

◯妃那乃の部屋(朝)
目覚まし時計なっても起きない妃那乃。
妃那乃の鼻を指でつまみ起こそうとする朔弥。
朔弥「…の、妃那乃。おーい、起きろ」
妃那乃「…んっ、まだ寝たい…」
朔弥「だーめ。遊園地に遅れるだろ」
妃那乃「あっそうだった」
妃那乃は飛び起きる
朔弥はそんな妃那乃をみて笑う
朔弥「おはよう、お姫様」
妃那乃「お…おはよう」
妃那乃は髪を整えながらいう
朔弥「玄関で待ってるから早く着替えてこいよ」
朔弥は妃那乃の頭を撫でる。

◯玄関
玄関で話す三つ子。
湊斗「…朔弥が京都に行くまであと1週間か」
響希「そうですね」
朔弥「響希、湊斗。俺がいない間、妃那乃のこと頼む」
湊斗「任せといて」
響希も頷く。
そこへ準備できた妃那乃が駆けつける
妃那乃「朔弥、お待たせ!」
朔弥「いいよ」
妃那乃「じゃあ行ってくるね」
響希と湊斗「いってらっしゃい」

◯遊園地
朔弥「まず何から乗る?」
妃那乃「もちろんジェットコースター」
朔弥「げっ…いきなりか」
妃那乃「もしかして朔弥苦手なの?」
朔弥「そっそんなわけねーだろ。いっいくぞ…」
朔弥はそう言って妃那乃の手を引っ張る
ジェットコースターやコーヒーカップやお化け屋敷を終えると朔弥はぐったりする。
妃那乃は朔弥に自販機で買った飲み物を渡す。
朔弥「わり…さんきゅ」
妃那乃「ううん。こちらこそごめんね。私が振り回したから」
朔弥「俺のことはいいんだよ。お前が楽しめれば」
妃那乃「私はせっかく2人で来たんだから朔弥にも楽しんでほしい」
朔弥「俺は妃那乃といれば何だって楽しい」
妃那乃「朔弥…」
朔弥「よしっ休憩もしたし、行こうぜ」
妃那乃「うん!」
メリーゴーランドやお化け屋敷、ゴーカート等に乗り楽しむ妃那乃と朔弥。
朔弥「やっぱり最後はあれだよな」
朔弥と妃那乃「「観覧車」」
二人は笑いながら観覧車へと走る。

◯観覧車の中(夕方)
観覧車の中から外の景色をみる二人。
妃那乃「わぁ、観覧車から見る景色ってこんなにも綺麗なんだね。人も家もあんなにちっちゃく見えるよ、朔弥」
そう言って妃那乃が朔弥をみると朔弥は頬杖をつきながら妃那乃を見ていた。
朔弥「あぁ…綺麗だな。」
妃那乃「もっもう…見てないじゃん」
朔弥「見てるよ、お前の事」
妃那乃「わっ私じゃなくてちゃんと景色を見てよ」
朔弥「…やだ。俺は楽しんでるお前の姿を見るのがいい。妃那乃、そっち行っていい?」
妃那乃「えっでも…」
朔弥「でも何?まぁダメ言っても行くけど」
妃那乃の隣にきた朔弥は妃那乃の肩を掴み自分の方に抱き寄せる。
妃那乃「…明日からだね。京都」
朔弥「…あぁ。寂しい?」
妃那乃「…寂しくないなんて言ったら嘘になるけど…でも朔弥が次期家元になるためだもん。それに…」
朔弥「それに?」
妃那乃「…半年なんてあっという間だよ、きっと」
そう言って朔弥を見た妃那乃の目には涙が溢れていた。それでも笑って送り出そうと笑う妃那乃。
そんな妃那乃の唇に優しく口づけする朔弥。
朔弥「…無理しなくていい。泣けよ」
そう言われた妃那乃は我慢していた糸が切れたかのように思い切り泣いた。
朔弥はそんな妃那乃をずっと抱きしめる。

◯翌日 駅(朝)
神崎流家元、家元、新橋に駅の玄関で見送られる朔弥。
家元「お前達は中まで送ってあげなさい」
神崎流家元「朔弥、身体には気をつけるんだぞ」
朔弥「わかってるよ。行ってきます」
4人は駅の中へ入って行く。
朔弥が乗る電車がもうすぐ出発するアナウンスが流れた。
朔弥「…もう行かなきゃな」
妃那乃を気にする様子の朔弥。
響希「お嬢様のことは任せて、お前は次期家元になる事だけに集中しろ」
湊斗「そうそう、今のうちに妃那乃ちゃんを自分のものに…なんて馬鹿な事は考えてないからさ」
少し意地悪そうに笑う湊斗。
響希「こら…湊斗」
湊斗「兄貴、気をつけて行ってこいよ」
朔弥「響希、湊斗…ありがとう」
朔弥は妃那乃の元に近づく。
朔弥「…妃那乃。手出して」
妃那乃は右手を出す。
朔弥「…そっちじゃない。こっちの手」
そう言って朔弥は妃那乃の左手を掴み
薬指に指輪をはめる。
妃那乃「…これ」
朔弥「…昨日渡せなかったから。寂しい思いさせちゃうけど俺が帰ってくるまで待ってて」
妃那乃「うん…」
朔弥は妃那乃に口づけする。
朔弥「じゃあ…行ってきます」
妃那乃「いってらっしゃい」
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