婚約者候補は幼馴染の執事達⁈

第七章

◯13時 執事会議
新橋に一本の電話が鳴る
新橋「失礼」
廊下に出る新橋。
新橋「何ですって⁈妃那乃お嬢様が⁈わかりました!すぐ向かいます」
廊下から新橋の大きな声が響く。
戻ってきた新橋が血相をかえて言う
新橋「妃那乃お嬢様が…お見合い場所の旅館から消えたそうだ!」
部屋中、執事達がざわつく。
朔弥「…!」
朔弥は部屋を飛び出す
響希「朔弥!」
響希と湊斗も後を追いかける。

◯13時20分 新橋の運転で旅館に着く。
朔弥が部屋のドアを勢いよく開け入る。
続けて響希、湊斗、新橋もかけつける。
朔弥「家元!妃那乃が消えたってどう言う事ですか⁈」
家元「お前達…」
神崎流家元「落ち着け…朔弥」
朔弥「親父⁈何でここに…」
神崎流家元「それについては後で説明する。今は妃那乃ちゃんを探すことのほうが優先だ」
響希「…家元、何があったんですか?」
家元「実はな…外の庭を散歩すると言って妃那乃が部屋を出たんだが時間になっても戻ってこなくてな…気になって庭の方に探しに行ったんだ」

◯回想中 
庭を探す家元
橋のあたりに髪飾りが落ちていて髪飾りを拾う。
家元「…これは…妃那乃の。なぜこんなところに…」
そこに一人の旅館の従業員が現れる
家元「すみません。花柄のピンクの着物を着た女の子見ませんでしたか?」
従業員「…花柄…あっその方なら気分が悪くなったみたいで2人の男性に抱えられて帰りましたよ」
家元「⁈その男達はどんな格好でした⁈」
従業員「えっと1人はスーツ姿でもう1人の方は黒のキャップ帽子を被ってました。あっそうそう、そのスーツ姿の男性は女の子の事を見合い相手だと言ってました。キャップ帽子を被ってた男はスーツ着た男性の事を「高瀬」と呼んでましたよ」

◯回想終了
響希「見合い相手に誘拐されたってことですか⁈」
朔弥「…ゆるさねー」
家元「…妃那乃がその高瀬とやらに誘拐されたのは間違いないが…そいつは見合い相手ではない」
朔弥「…?どう言うことですか?」
家元と神崎流家元が目を合わせ静かに話す
家元「…元々、見合いの話がきてると言ったのは嘘なのだ」
朔弥「…っ!何でそんな嘘ついたんです⁈」
神崎流家元「…落ち着け、朔弥」
朔弥「落ち着いてられっかよ!妃那乃を…大事な女を誘拐されて落ち着いてられるわけねーだろ!」
湊斗「あのー…妃那乃ちゃんの場所ならわかるよ。僕、妃那乃ちゃんの着物にこっそり小型用の見守り携帯を忍ばせておいたから」
湊斗が自分の携帯をいじりながら言う。
全員「え⁈」
響希「湊斗…いつもお嬢様の事監視していたのですか…ナイスと言うべきか何と言うべきか…」
響希は呆れた表情で頭を抱える
神崎流家元「我が子ながら…やってる事は怖いな」
朔弥「そんな事より妃那乃を助けにいくぞ!湊斗、道案内しろ!」
湊斗「うん!」
湊斗・朔弥・響希が部屋を出る。
家元「新橋、車を出せ。私達も行くぞ」
新橋「わかりました」
新橋・家元・神崎流家元が部屋を出る。
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