婚約者候補は幼馴染の執事達⁈

第八章

◯港近くの廃工場 
妃那乃「…ん」
高瀬「お目覚めですか?お姫様」
2人の男が妃那乃に近寄る
妃那乃は逃げようとするが両手足を柱に結ばれて動けない。口も紐で結ばれて声が出ない。
妃那乃(これじゃ助けを呼ぶどころか戦うこともできない)
帽子の男「おっと、逃げようとしても無駄だぜ」
高瀬は鉄の細長い棒を持ちながらさらに妃那乃に近づく
高瀬「いいねー、その顔」
高瀬が妃那乃の顎を手で鷲掴みする。
その時、ドンとシャッターが蹴破られる大きな音がした。
響希「お嬢様!ご無事ですか⁈遅くなって申し訳ありません」
朔弥「…おい、そのきたねー手を離せ」
湊斗「僕達のお姫様に手を出したら容赦しないよ」
帽子の男「あっ?何だてめーら?調子こいてんじゃねーぞ」
帽子の男が勢いよく湊斗に飛びかかる。
湊斗は男の拳を交わし回し蹴りをする。
湊斗「言ったでしょ?容赦しないって」
高瀬が細長い棒で朔弥に飛びかかる。
朔弥は棒を片手で受け止めて相手の腹を蹴る。
相手は一撃をくらい、よろける。
高瀬「くそっ!近づくな!」
高瀬は棒を捨て妃那乃の首にナイフを当てる
そこへ家元と神崎流家元も到着。
家元「妃那乃!」
高瀬「ちょうどいい。如月流家元、孫を傷つけたくなければ金を持ってこい」
家元「…っ!わかった。新橋、頼む」
家元が目で合図をする。
新橋「わかりました」
新橋が車からトランクケースを持ってくる。
高瀬は妃那乃から離れ少し前へ出る。
高瀬「金をここまで持ってこい」
新橋はゆっくり前へ進み、高瀬のところまでトランクケースを運ぶ。
高瀬「よし、トランクケースを置いて下がれ」
新橋が下がったのを確認するとニヤニヤしながら高瀬はトランクケースを開けた。
しかし、中身はただの新聞紙の紙切れ。
高瀬「なっなんだ、これは⁈」
高瀬がトランクの中身に気を取られてるうちに
朔弥が高瀬が包丁持ってた方の手を足で蹴る。
高瀬「うっ…くそ…」
すぐさま高瀬の手を後ろにねじり高瀬の体を床に押し付ける。
響希は妃那乃の元に駆けつける。
響希「お嬢様、遅くなり申し訳ありません。大丈夫ですか?」
妃那乃「うっうん…。ありがとう」
その時警察のサイレンの音が鳴り、警察が来る。高瀬の身柄を警察に引き渡す朔弥。
妃那乃が皆の元に響希と歩いてくる。
妃那乃「皆、心配かけてごめんなさい…」
そういう妃那乃の手は少し震えていた。
朔弥はぎゅっと妃那乃を抱きしめる。
朔弥「…よかった。もう大丈夫だから」
妃那乃は朔弥の腕の中で思い切り泣いた。
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