タオル係の、独占欲。(短)

中学生の頃、


『鏡花ちゃんてスグ泣く〜変なの!』


と言われて以来、感動屋なのは「変なことなのだ」と、私の中にインプットされた。

私の中の「変なこと」がバレて、虐められるのはイヤだったから。高校では、感動屋な自分を隠して生活している。


だけど、人生。そう上手くはいかないもので。


今度は「何にでも無関心で机に伏せてる“知らんぷりちゃん”」なんて言われるようになった。

私は皆から「変」と言われないために机に伏せていたけど、それはそれで「変」だったらしく。さっきの廊下みたいに、結局は皆から色々言われてしまっている。



だけど、それを訂正するのも今更だし。


訂正するには、結局私が「感動屋」だと暴露しないといけないから、どのみち皆から距離を取られるだろうし。……うん。悲しいけど、私の高校生活は孤立する運命だったんだ。


そう思って、高校生活を諦めて過ごしている。

もちろん、友達なんていない。
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