甘すぎる嘘でからかう御曹司様、私と結婚して下さいますか?
「本当にうちの旅館を助けてくれるんですか?」

「うん、融資だけじゃなくて、これからさらに利益を上げれるように手伝うよ」

「・・・・・いいのかな・・・?」

小声でそう呟いた私に、本多さんは吹き出す様に笑う。


「いいんじゃない?俺は美都ちゃんのこと気に入ったけど?」


そう言って、私に本多さんが近づく。


「本当に気に入ったんだよ?キスしたいくらい」


「っ!・・・・ダメです!」


私が両手で口を隠すと、その手を本多さんが引き剥がす。

「あの・・・こうゆうのは、普通好きな人同士が・・・!」

「結婚相手ともするでしょ?」

「でも、これは・・・!あの、本多さん・・・!」

「春矢、って呼んで?」

「っ!分かりましたから!春矢さんって呼ぶので、キスはしないで下さい!」

「仕方ないなぁ。じゃあ、キスは辞めようかな」

そう言って、春矢さんが私から離れると思ったその時・・・



「まぁ、嘘だけど」



「んっ!」



急に塞がれた口に現状が理解出来ない。

そっと春矢さんの顔が離れる。
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