甘すぎる嘘でからかう御曹司様、私と結婚して下さいますか?
だから、私が嘘をつくことをどうか許してくれますか?


「春矢さんにドキドキしたことなんてないですよ?だって、私達ただの政略結婚じゃないですか」


きっとこれが貴方に初めてついた嘘。


「そっか、じゃあ、もうキスしたところで意味はない?」


春矢さんの表情は変わらない。


「変わる訳ないでしょう?」


「・・・嘘つき」


「え?・・・んっ!」


いつもみたいにそのキスは一瞬じゃなくて。


「んー!」


やっと離れた春矢さんの顔は少しだけ険しかった。


「美都ちゃんの馬鹿。嘘つきは俺だけでいいのに」


「え・・・?」


「離婚なんてしてあげない。一生、俺なしで生きられなくなればいい。キスだって、一回じゃ足りない。料理だって俺にだけ作って、甘いゲームで俺に一生ドキドキしてればいい」


「春矢さん・・・?」


「俺と離婚して、その赤い可愛い顔を他の男に見せるの?」


春矢さんはいつもみたいに私をからかうように笑った。
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