甘すぎる嘘でからかう御曹司様、私と結婚して下さいますか?
「俺は美都ちゃんが言う通り嘘つきだよ。だって一年前から好きな人がいたのに、君と結婚したんだ」
「俺の好きな子は、俺が仕事の出張である旅館に泊まった時に出会ったんだ」
「その子は中居さんの手伝いをしてて、疲れた俺に「大丈夫ですか?」って声をかけた」
「「全然大丈夫ですよ。お気遣いありがとうございます」ってただ形式的に返した俺に、「嘘つきですね」って笑ったんだ」
「「私、そんな嘘は嫌いです」って笑って、「疲れたら、人に嘘をつかないで甘えると良いですよ!」って続けた」
「ねぇ、美都ちゃん。俺さ、もう今日は疲れちゃった。もう、嘘つかなくていい?」
春矢さんが少しだけ笑った。