甘すぎる嘘でからかう御曹司様、私と結婚して下さいますか？

「ちょっと待って下さい！騙したんですか！？」

「俺も丁度結婚相手探しててね。その時あまりに可愛くて、騙されやすそうな子が来たから、つい」

「婚姻届返して下さい！」

「えー、でも俺と結婚したら、実家にはもっと融資が入るよ？さらに旅館を建て直しやすくなるんじゃない？」

「う、それは・・・」

「それに、融資に頼りっきりじゃなくて、俺が経営指南もしてあげるよ？」

「本当ですか！？」

「本多財閥って、美都ちゃんも知ってるでしょ？」

本多財閥は、美玲の結婚相手の成田財閥に匹敵するホテル事業を営む会社だ。

「・・・それは嘘じゃないですよね？」

「気になるなら、ホームページ見ていいよ」

私は急いで携帯を取り出し、「本多財閥」と検索する。

現社長の息子で、今はホテル事業を一部を任されている有望な社員として「本多 春矢」と書かれている。

顔写真も目の前の人物を一緒である。