切ないほどに、とろける恋
奏斗くんは朝が弱いのに、夜はとても元気。
眠たくて寝ようとする私にちょっかいを出してくる。
ほっぺをむにむにしたり、身体をぎゅっとしてきたり。
他の人にされるとイライラされることでも、奏斗くんだったらなんでも許せちゃう。
むしろ嬉しい。
今日も朝が早かったからか、私は夜の8時には半分夢の中だった。
「えー寝ちゃうのかよ」
奏斗くんの寂しそうな声が聞こえる。
私は頑張って目を開けようとしているのに、瞼が重すぎてどうしても目が開けられない。
そんな私を気にする様子もなく、奏斗くんは私の頬にキスをする。
「ミヤ、好きだよ」
そんな甘い言葉を私だけに囁いてくれる。
キスをされているほっぺたがくすぐったい。
思わず「ひゃっ」と言うと、奏斗くんはちょっと意地悪く笑った。
そんな顔も好き。
奏斗くんは学校でも、女の子にこんなふうしたりするのかな。
他の人の前でも、こんなキャラだったら少し嫌かも…
嫌というか、嫉妬のような、モヤモヤする感じ。
奏斗くんはかっこいいから、きっと学校でモテモテなんだろうな。
学校での奏斗くん…見たいような、見たくないような…
見たことのない奏斗くんの外での顔を想像しながら、すやすやと眠りについた。