君が死ねばハッピーエンド
「どうした?なんかニヤついてない?」

ハッとして、朔を見上げる。
付き合う前のことを思い出していたら、登校中だってことをすっかり忘れてしまっていた。

もう校門が数メートル先に見えている。

校門が見えても、朔は繋いでいる手を離さなかった。

「ううん。思い出し笑い」

「なんのこと?」

「なーいしょ」

「なんでだよ。隠し事?」

「違うよ。朔のこと」

「俺のこと?余計気になるじゃん」

教えない私に朔はムキになる。
そんな朔が可愛くて、私は「絶対おしえなーい」ってからかって遊ぶ。

なんにも特別なことなんて無くていい。
このままずっと朔とこうしていられたら。
きっとそれが私にとって最高に幸せなことだから。
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