君が死ねばハッピーエンド
「シイナ!今日ってまだカフェは営業してないよね?」

「うん。まだガラスの修繕作業か、終わってたとしても色々事務作業みたいなのが残ってると思うよ。店長からも何も連絡は来てないし」

放課後、ホームルームが終わってから、ちーちゃんが私の机に来て言った。

ちーちゃんは既に鞄を持っている。

「ちーちゃんは部活?」

「ううん。今日は休むよ。それでさ、シイナ」

「ん?」

ちーちゃんが声をひそめて、コソコソ話をするみたいに私の耳元に近づいた。

「渚先輩の連絡先って知ってる?」

「渚先輩?」

私の声にちーちゃんは、シーって人差し指を口元に立てた。

視線は朔の机のほう。
私も慌てて朔を見たけれど、私達の会話には気づいていないみたいで、帰り支度を続けている。

「ちょっと、いい?」

ちーちゃんに連れられて私達は廊下に出た。
よっぽど朔に聞かれたくない話題なのかとも思ったけれど、正直私も渚先輩の話なら朔には聞かれたくない。
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