君が死ねばハッピーエンド
「どうしたの?」

「お店が休みなら渚先輩も休みだよね?」

「うん。そうだけど」

「私さ、先輩に相談したいんだよね。今回のこと」

「今回のことって…昨日の事件のこと?」

「うん」

確かにこのままでは埒があかないと思う。
でも渚先輩にまで助けを求めるのはさすがに迷惑なんじゃないかって思った。

「バイト先で起きたことなら先輩だって無関係じゃないでしょ?」

「そうだけど…」

「それにバイト先にも助けてくれる人が居るなら私も安心だし」

「でもそれは店長が…」

「店長さんは学校の中のことまでは見れないじゃない。それに私も朔も、バイトの中のことは見れない。どっちのことも把握しててくれるのは渚先輩だと思う」

「そうだけど…。でもそれは朔があんまりいい気しないと思う…」

「だから内緒で話してるんじゃない。とにかく、とりあえずさ、話でも聞いてもらえないか、連絡できない?」

渚先輩を巻き込むのはやっぱり気が引ける。
お店で起きた事件だから、無関係とは言い切れないことも分かる。

でも、ただでさえ私はスタッフ達を巻き込んでしまって迷惑をかけている。

先輩が元々私に嫌な気持ちを持っていないとしても、そこまで寄りかかってしまうのは、どうなんだろう…。

ちーちゃんが私の安全を考えてくれていることはすごく嬉しい。
先輩に頼らなくても絶対にどうにかできるとは言えない部分もあった。
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