君が死ねばハッピーエンド
だけど、実際に“昨日のことを相談したいんですけど、会えませんか”って送信したメッセージに、先輩はすぐに“俺も話したいって思ってた”って返事をくれた。

バイト先のカフェは閉まったままだから、私達三人は駅前のファミリーレストランで会うことになった。

「シイナ」

「わ!朔、あのね今日ちーちゃんと帰ってもいいかな?昨日のこと、話しておきたくて」

「俺も今日は一緒に帰れないって言いにきたんだ。サッカー部に誘われててさ」

朔は中学生の頃はサッカー部に所属していた。
エースだったから、高校に入学してからも誘われたらしいけど、高校はのんびり過ごしたいって理由で部活には入らなかった。

時々、放課後に誘われて、息抜きで遊んでるみたいだった。

「そうなんだ。じゃあ夜にまた電話するね」

「うん。ごめんな」

「楽しんできてね!ちーちゃん、私も鞄取ってくるね」

朔に手を振って教室に戻った。

サッカー部の部室に向かおうとしている朔に、ちーちゃんが「制服のまま?」って聞いて、
朔が「着替えるに決まってんだろ」って笑っている。

朔の笑った顔が、私に向けるものよりもくだけた表情だなって思った。
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