君が死ねばハッピーエンド
「ちーちゃん!」
約束の時間よりも少し早く着くかなって思ったけれど、ちーちゃんのほうが先に着いていた。
「シイナ!久しぶり!」
「ごめんね。やっぱり私って人を待たせちゃうんだな」
「ううん。シイナはずっと待っててくれたよ」
「え?いつ?」
「私がシイナの連絡をずっとスルーしてる間。ずっと待っててくれた。勝手に拗ねて、幼稚なことしてごめん」
「ちーちゃん…そんなことない。そんなことないよ!ちーちゃんの気持ちを傷つけたのは私だもん。自分だけが可哀想って顔して…周りの優しさを踏みにじるようなことばっか言ってたと思う」
「シイナ…私、渚先輩のこと、本当に謝りたい。本当に後悔してる」
「どうして?」
「シイナのこと助けてって言ったのは私なのに、私…知らないふりをした。みんなの前でシイナと渚先輩が浮気してるんじゃないかって思わせるような発言してさ…あの時は本当になんでって思ったの。シイナの生徒手帳を盗む機会なんて、ファミレスで会った時だってあったかもしれないのに、シイナはなんでこんなに渚先輩を庇うんだろうって。だったら二人で頻繁に会ってたんじゃないかって…思っちゃって…。でもシイナはただ、渚先輩が犯人じゃないって信じて欲しかっただけなんだよね。私だって先輩は誠実な人だって分かってるはずなのに…本当にごめん」
ちーちゃんが俯いて、涙声で話してくれた。
会えなかったこの時間は全然無駄じゃ無かったって思えた。
「ちーちゃん、それをね、渚先輩にも話してあげて欲しい。きっと嬉しいと思うよ」
「うん…」
「あのね、私もちーちゃんと朔に対して不誠実だったなって思うよ。渚先輩のことを信じたかったけど、恋人や親友の前で他の男の人を庇うようなことばっか言ってさ。気分良くないよね。朔にも言われたの。″誰が犯人だったら満足なんだよ″って。きっと誰が犯人でも安心なんてしないし、悲しいよ。でも朔やちーちゃんにはっきりと助けてって懇願したことも無かったのに渚先輩のことだけ信じろなんて虫がよすぎるよね。ごめんなさい。でもね、ちーちゃん。私はやっぱり犯人は…」
「シイナ」
「ん?」
「立ち話もなんだからさ、ゆっくり話そうよ」
「あ、そうだよね。ごめんね、つい」
「シイナらしいね」ってちーちゃんが笑う。
少しずつ緊張がほぐれてきた。
「うちでもいい?」
「ちーちゃんち?いいよー。おばさんに会うの楽しみだな」
「うん。行こっか」
中学の時はよく遊びに行っていた。
ちーちゃんは母子家庭で、おばさんは遅くまで働いていたから滅多に会えなかったけれど、家に居る時はご飯や手作りのおやつをよく振る舞ってくれた。
優しい人だった。
約束の時間よりも少し早く着くかなって思ったけれど、ちーちゃんのほうが先に着いていた。
「シイナ!久しぶり!」
「ごめんね。やっぱり私って人を待たせちゃうんだな」
「ううん。シイナはずっと待っててくれたよ」
「え?いつ?」
「私がシイナの連絡をずっとスルーしてる間。ずっと待っててくれた。勝手に拗ねて、幼稚なことしてごめん」
「ちーちゃん…そんなことない。そんなことないよ!ちーちゃんの気持ちを傷つけたのは私だもん。自分だけが可哀想って顔して…周りの優しさを踏みにじるようなことばっか言ってたと思う」
「シイナ…私、渚先輩のこと、本当に謝りたい。本当に後悔してる」
「どうして?」
「シイナのこと助けてって言ったのは私なのに、私…知らないふりをした。みんなの前でシイナと渚先輩が浮気してるんじゃないかって思わせるような発言してさ…あの時は本当になんでって思ったの。シイナの生徒手帳を盗む機会なんて、ファミレスで会った時だってあったかもしれないのに、シイナはなんでこんなに渚先輩を庇うんだろうって。だったら二人で頻繁に会ってたんじゃないかって…思っちゃって…。でもシイナはただ、渚先輩が犯人じゃないって信じて欲しかっただけなんだよね。私だって先輩は誠実な人だって分かってるはずなのに…本当にごめん」
ちーちゃんが俯いて、涙声で話してくれた。
会えなかったこの時間は全然無駄じゃ無かったって思えた。
「ちーちゃん、それをね、渚先輩にも話してあげて欲しい。きっと嬉しいと思うよ」
「うん…」
「あのね、私もちーちゃんと朔に対して不誠実だったなって思うよ。渚先輩のことを信じたかったけど、恋人や親友の前で他の男の人を庇うようなことばっか言ってさ。気分良くないよね。朔にも言われたの。″誰が犯人だったら満足なんだよ″って。きっと誰が犯人でも安心なんてしないし、悲しいよ。でも朔やちーちゃんにはっきりと助けてって懇願したことも無かったのに渚先輩のことだけ信じろなんて虫がよすぎるよね。ごめんなさい。でもね、ちーちゃん。私はやっぱり犯人は…」
「シイナ」
「ん?」
「立ち話もなんだからさ、ゆっくり話そうよ」
「あ、そうだよね。ごめんね、つい」
「シイナらしいね」ってちーちゃんが笑う。
少しずつ緊張がほぐれてきた。
「うちでもいい?」
「ちーちゃんち?いいよー。おばさんに会うの楽しみだな」
「うん。行こっか」
中学の時はよく遊びに行っていた。
ちーちゃんは母子家庭で、おばさんは遅くまで働いていたから滅多に会えなかったけれど、家に居る時はご飯や手作りのおやつをよく振る舞ってくれた。
優しい人だった。