君が死ねばハッピーエンド
「ちーちゃん…なんの冗談…」

「冗談でこんなことできるほど、私メンタル強くないんだけど」

そう言いながらもちーちゃんはニコニコと楽しそうで、苦しんでいるようには見えない。
“冗談じゃ無い”から?
本気だから心底楽しんでいるのかもしれない。

「私に何をしたの?」

「何って?」

「ちーちゃんについて来たら知らない瓦屋根の家だった。そこで私、意識を失ったんだよね?」

「せいかーい」

「何をしたの」

「コレ」

ちーちゃんがポケットから取り出した小さな瓶を振って見せた。

ほとんど透明だけど、少しだけ黄色っぽい液体が小瓶の中で揺れている。

「何それ」

「ドラマとかでよくあるじゃん。ハンカチに染み込ませて背後からガバッ!とね。今回はシイナが振り返っちゃったから正面からだったけど」

「なんでそんな物…」

「ネットで買ったの。親切な人が居てさー。“すごーい!興味ありますー!”なんておだてれば簡単でさ」

呼吸が息苦しい。
縛られたりしているわけではない。
ちーちゃんがぶつけてくる一言一言が理解できなくて苦しい。
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