君が死ねばハッピーエンド
「入学して、クラス発表の紙に朔の名前を見つけた時、神様は本当に居るんだって思った。やっぱり朔は世界一、誰よりもキラキラしてた。だから朔に色目使う女を何人も何人も脳内で殺した。私の朔に触るな、朔を愛していいのは自分だけなんだって、何度も何度も。それがさぁ、まさか自分の親友と付き合っちゃうなんて思わないじゃん!笑っちゃう、ほんと、大傑作!朔だって知ってるくせに…でも…そんな悪魔みたいな朔でも嫌いになれなかった…。ねぇ、シイナ…私っておかしいのかな…」
「分かんないよ…ちーちゃん…誰かを心から愛することはおかしくなんかない。きょうだいを愛しちゃいけないなんて法律上だけの話で、心までは誰にも操れないよ。嘘もつけない…。でもあんまりにも苦しいよ。何もかもを失くしても朔だけが居ればよくて、その為にこんなことまでして…でもそれほどまでに人を愛した人を悪いって言えないじゃん!」
「優しいねぇシイナは。自分が朔に選ばれたから、なんだかんだ言って余裕があるんだよ。どの女よりも」
ちーちゃんの腕に流れる血を見て居られなくて、左手を傷口にかぶせたら「触んないで!」って振り払われた。
「ねぇ…ちーちゃん。私をどうやってここまで運んだの?二階の部屋だよね?気絶してる人間を女子が一人で運べるわけないよ。ココはどこ?」
ちーちゃんがニッと笑った。
本当だ。
朔が悪戯っぽく笑う時の、ちーちゃんに向けるくだけた笑顔によく似てる。
「渚先輩の家だよー」
「渚先輩?」
「私達のせいで濡れ衣を着せてしまってごめんなさい。どうしても謝りたくて先輩のおうちの前まで来たら急にシイナが眩暈がするって言って倒れちゃって。渚先輩のおうちに運んでくれませんか!?…あー私ってほんと女優かも。それでー、先輩が一緒にこの部屋まで運んでくれたの。それから一緒に一階に降りてー、“ご両親はいつ帰りますか?って聞いたの。すっごい好都合!先輩のご両親ってラブラブなんだって。今日はディナーデートなんだって」
「渚先輩はどこ?」
「先輩は、もう死ぬんだってさ」
「何を言ってるの…?」
「分かんないよ…ちーちゃん…誰かを心から愛することはおかしくなんかない。きょうだいを愛しちゃいけないなんて法律上だけの話で、心までは誰にも操れないよ。嘘もつけない…。でもあんまりにも苦しいよ。何もかもを失くしても朔だけが居ればよくて、その為にこんなことまでして…でもそれほどまでに人を愛した人を悪いって言えないじゃん!」
「優しいねぇシイナは。自分が朔に選ばれたから、なんだかんだ言って余裕があるんだよ。どの女よりも」
ちーちゃんの腕に流れる血を見て居られなくて、左手を傷口にかぶせたら「触んないで!」って振り払われた。
「ねぇ…ちーちゃん。私をどうやってここまで運んだの?二階の部屋だよね?気絶してる人間を女子が一人で運べるわけないよ。ココはどこ?」
ちーちゃんがニッと笑った。
本当だ。
朔が悪戯っぽく笑う時の、ちーちゃんに向けるくだけた笑顔によく似てる。
「渚先輩の家だよー」
「渚先輩?」
「私達のせいで濡れ衣を着せてしまってごめんなさい。どうしても謝りたくて先輩のおうちの前まで来たら急にシイナが眩暈がするって言って倒れちゃって。渚先輩のおうちに運んでくれませんか!?…あー私ってほんと女優かも。それでー、先輩が一緒にこの部屋まで運んでくれたの。それから一緒に一階に降りてー、“ご両親はいつ帰りますか?って聞いたの。すっごい好都合!先輩のご両親ってラブラブなんだって。今日はディナーデートなんだって」
「渚先輩はどこ?」
「先輩は、もう死ぬんだってさ」
「何を言ってるの…?」