君が死ねばハッピーエンド
「それじゃあ帰ろうか」

「はい」

四人で店を出た。
同い年の女子は、近くのコンビニに親が迎えに来てくれていると、店の前で別れた。

私と店長と渚先輩が並んで歩く。
最初に口を開いてくれたのは店長だった。
ちょっと気まずかったから本当に助かった。

「二人の学校はもうすぐ文化祭でしょ?」

「はい。でも俺らのクラスは何もやらないんですよ」

「そうなの?」

「三年だし、有志だけでそれぞれやるみたいですよ。俺は空いた時間はバイトしたいし、何も」

「おー、優秀だなぁ」

「あはは。シイナちゃんのクラスはお化け屋敷だっけ?」

「あ、はい。私は大道具の係なんで、もうほとんどすることもないんですけどね」

「そっか。じゃあ時間があったら私も遊びに行こうかな」

「本当ですか?待ってますね」

高校なんて懐かしいなぁって店長が空を見上げて呟いた。

私はあと一年ちょっと、高校生だ。
来年の今頃になったら、渚先輩も「懐かしいな」って寂しそうに呟いてるのかな。
< 19 / 156 >

この作品をシェア

pagetop