君が死ねばハッピーエンド
学校に着いて教室に入るまで、ずっと同じペースで私達は歩いた。

私の後ろに居る朔とは、手は繋げなかった。

後ろに居てくれるから、朔を追い越していく女子達が朔を見ていたかどうかも見なくて済んだ。

上靴に履き替えて教室に向かっている途中。
廊下が騒がしくて、私達の教室の前に人だかりができていることに気づいた。

「…どうしたんだろ」

そこで私はやっと朔のほうを見た。

私と目を合わせた朔も首を傾げて、ゆっくりと歩き出した。

「どうしたの?」

教室のドアから少し離れた場所に居た男子に声をかける。

「あー、なんか荒らされてるっぽい」

「荒らされてる?」

「お前んとこ、文化祭お化け屋敷だろ?その道具?なんか壊されてるって」

「えっ!?」

男子の言葉を聞いて、慌てて教室に飛び込んだ。

今日は職員会議や、他校の先生達、外部のお客さんを招くことから、学校以外の大人達も何人か集まって会議があるからと、一日が文化祭の準備や、有志でダンスやバンド、劇をする人達はその練習に充てられていた。

私達は空き教室を使わせてもらう。
だからお化け屋敷の内装や道具のセッティングは空き教室でほとんど済んでいる。

いくつかの大道具の調整で、昨日の放課後、空き教室から、この教室に運んでもらっていただけだった。
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