君が死ねばハッピーエンド
「シイナ、ありがとう」

「ん?」

「作り直そうって一番に言ってくれて。みんなオドオドしてたのに、シイナはかっこよかった」

「そんなことないよ。嫌だったの」

「嫌だった?」

「なんでか分かんないけど、そんなこと無いのかもしれないけど、なんか朔が責められてるみたいな気になっちゃって…」

「そうだね。きっとみんなそんなつもりは無くて、ただ誰かに委ねないと怖かったんだと思うよ。でもシイナが俺の為に一番に動いてくれたことが嬉しい」

「…当たり前じゃん」

朔がニコッて笑って、「持つよ」って私が抱えていた段ボールも全部持ってくれた。

私達二人が集められたのは大した量にならなかったけれど、みんなが手分けしてくれたから、新しく作り直せる材料は十分に集まった。

作業に取り掛かる前に、バイトの店長に文化祭までに入っているバイトを休みたいとメッセージを送った。

返事はすぐに来て、快く了承してくれた。
放課後は出来る限り残って、なんとしてでも棺を完成させる。

たった一個だけど、また大道具係が再集結した。
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