君が死ねばハッピーエンド
「バイト、大丈夫なの?」

放課後。
棺は三日もあれば完成できそうだった。

明日、明後日は土日だから部活動で来れない人も居て人手は減ってしまうけれど、一週間前までには完成できそうでホッとした。

ただ、物が大きいだけに、最初に作った物よりは材料をかなり節約した。

何度も入ったり出たりするから、段ボールを幾重かに重ねている部分もあったんだけど、それができない。

絵の具もしっかり乾かさなきゃいけなくて、不安は残るけれど、形を戻せるだけでもいい。

「ちーちゃん。今日は元々休みだったし、しばらくお休み貰うことも了承してくれたよ」

「土日も来るの?」

「うん。そのつもり」

「そっか。でも大変なことになったね」

「…そうだね」


短く息を吐いたちーちゃんが、作業をしている私の隣に腰を下ろした。

今日も美術室にこもるのか、絵の道具を抱えている。
いつもは美術室に置いてるけれど、今日は大道具係に貸してくれていた物もある。
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