君が死ねばハッピーエンド
「…私の言葉を聞いてくれなかった人達の謝罪を…決意をすぐに受け入れてあげられるほど私は優しくない」

「すぐにそうしてもらえるなんて思ってない」

「卒業するまでに許せるかも分かんない」

「それでもしょうがないって思う。当然だと思う。でも私達は何度でもシイナにごめんねって…もう一回ちゃんと友達になって欲しいって…諦めない…」

女子達が遂に涙をすすり始めた。

委員長が「ごめんね…守るから、今度こそちゃんと…」って震える声で言った。

「学校ではもう引きずらない」

「シイナちゃん?」

「このことを話すのも、学校ではもうしない。でもすぐに元には戻れない。でも私だって…」

「うん」

「私だってみんなを友達じゃないって…これでどうせ終わりなんだからって思いたくないよ!」

「シイナ…」

「私だって普通に戻りたい。違和感なく、あの教室で。おはようって…みんなと言い合える関係に戻りたい」

「ごめん…ごめんなさい。本当に…ごめんなさい!」

みんながわんわん泣いて、声が響いていたのか、リビングのカーテンの隙間からママがこっちを覗いているのが分かった。
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