ミル*キス
「タバコ、ちょうだい」


ひととおり話を聞いた後、テーブルの端に置いてあったタバコに手をかける。


高校生の時、ちぃちゃんに怒られてからずっとやめていたタバコだけど、吸わなきゃやってられない。

……今はそんな気分だった。



深く吸い込んでゆっくりと吐き出す。

久しぶりに吸うタバコは、以前ほど美味くは感じなかった。

天井に向かって上っていく煙を眺めていると、頭の中がちょっとだけクリアになるような気がした。


まぁ、こういうのってだいたい錯覚だったりするんだけど。


「それにしても……」


と呟いて、またフッと煙を天井に向けて吐き出す。


目線は彼女に向けて。



「その格好はどうかと思いますが」


体のラインがくっきりわかるキャミソールにショーパン。


まぁ、夏だし。

部屋ん中だし。

いいんだけども。


せめて、ブラはつけて欲しかった。

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