ミル*キス
オレは最後の賭けに出ていた。


オレの仕掛けた子供じみた罠にひっかかるだろうか?

それ以前に気づくかな?


気づいたとして、戻ってくるだろうか?


そんなこと考えながらやかんを見つめる。


お湯が沸き始めたのか、シュンシュンと音がする。

蓋がカタカタと鳴り始めた。


火を止めようと手を伸ばした瞬間


――ピンポーン



チャイムが鳴った。

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