ミル*キス
すぐに唇を離して。



「怖がらんといて……」


体を引き寄せて、もう一度。


今度は深く……。

舌が触れると、スミレさんもそれに応えてくれた。


ほんのり漂うブランデーとコーヒーの香りがオレの思考を麻痺させる。


いや、それは言い訳かもしれないけど。

そこからはもう、止めることなんてできなかった。


そのままソファに押し倒す。


首筋にキス。


「やっ……ダメ……」


オレを押し戻そうと両手で抵抗する。


だけど両手首を押さえつけ、力でねじ伏せた。


熱い息が交じり合う。



オレに身を任せるように……。


だんだんと彼女の力が抜けていく。



シャツのボタンを一つ外す。


――ビクンッ

彼女の体が震えた。


消え入りそうな、か細い声で囁く。


「……電気…消して?」



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