ミル*キス
「ダメ。スミレさんの体、見たい」


男としての欲望を満たすため?

それもあったけど、それ以上に彼女の全てを知りたいという欲求が強かった。



「……お願い。消して?」


オレの腕の中で、震える体。


「わかった」


オレはリモコンを手にして、部屋の照明を全て落とした。


そこからは手探りだった。

壊れ物のように大事に扱おう。

そう思った。


よくわからないけど。

彼女がいつも壁を作っているのは、傷つきたくないからじゃないかって思った。

自分を守るために、色んなものを身にまとっている。


だから怖がらせないように……

指をからませて、時々キスをしながら……


ゆっくりとほぐすように、彼女が抱えているものを一つずつ、はがしていく。



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