ミル*キス
それからオレはカーぺットの上で、もう一度彼女を抱いた。


その後、裸のまま抱き合って、とりとめのない話をしていたけど

彼女の体が温かくて、心地よくて……

やがて意識がだんだん遠くなる。


途中彼女が「風邪ひくよ?」なんて言って、オレの髪をくしゃって撫でてくれた。


「ねぇ、布団どこ?」


半分寝ぼけながらも押入れのある部屋を説明した。


立ち上がりそうになった彼女の手を掴む。


「まだ、このまま……」

「もぉ……子供みたいになるのね」


なんて文句を言う彼女の体をギュっと抱きしめた。



記憶に残っていたのはそこまでだった。



――――
――…



「おはようございます。起きてください」


「んー……」


目を開けると、ミーコがこちらを見下ろして立っていた。


< 189 / 276 >

この作品をシェア

pagetop