ミル*キス
一瞬、今の状況が理解できなくて……キョロキョロとあたりを確認した。


リビングのソファの横。

カーペットの上で寝そべっているオレ。


――ああ、そうか。

昨夜……スミレさんと。


自然と頬が緩む。

体に彼女の香りや肌の感触が残っているような感じ。


もうしばらく余韻に浸っていたいな……

なんて考えてハッとする。


いつの間に帰ったんだろう。

スミレさんはすでにいなかった。


オレの体にはタオルケットが掛けられていた。


とはいえ真っ裸。

どんだけ爆睡してんだよ、自分。


なんて突っ込みを入れながら、昨夜脱ぎ散らかしていたはずの衣類を探す。


スミレさんが畳んでくれたのか、ソファの上に揃えて置いてあった。


その中から下着を取り出して、タオルケットの中でもそもそと履いた。



「家政婦さん、見ないでください」


振り返ってミーコにそう言うと、


「みっ、見てませんよっ!」


ミーコはクルリとオレに背を向けた。


そのまま立ち上がって今度はジーンズを履いていると


背後からミーコの声がした。



「……昨日
誰か……ここに泊まったんですか?」

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