ミル*キス
「28歳ですよ?
サトシさんより9歳も年上なんですよ? そんなのヘンですよ」


「……お前、何が言いたいん?」


「たしかにスミレさんはキレイだけど。でも、もうすぐ30歳のおばさんじゃないですか!おかしいですよっ」


――バシンっ

オレは手にしていたTシャツをカーペットに投げつけた。


そして、ミーコに近づくと、グイと腕を引っ張った。


「だから?」


「え……」


「“おばさん”はやめて、若いお前にしろってか?」


ミーコはおびえるような目でオレを見上げる。

オレの声がいつもよりずっと荒々しかったせいだ。



「お前……いい加減、学習せーよ! 無邪気と無神経をはき違えるな! なんでもかんでも思ったまま口にするクセ、直せ!」


吐き捨てるように言って、腕を掴んだままミーコを引っ張った。


「痛っ」


そしてミーコの体をリビングから外に追い出すと腕を乱暴に放した。

不安そうにオレを見つめるミーコ。


「悪いけど帰って」

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