ミル*キス
「確かめるっつっても……。オレ、携番も知らんし……」


「あ、それなら、あたし知ってますよ!」


そう言って、肩にかけていた鞄の中を探る。


「あーあーあーっ」


慌てて取り出した携帯を手からすべり落としているし。


「もー。何やっとんねん」


オレは携帯を拾って、ミーコに差し出した。

受け取った携帯を開こうとしたミーコの手を、オレは止めた。


「いや、いいわ。そういうのは、自分でけじめつけたいし」


そうだ。

まだ彼女の口から聞かされたわけじゃないんだ。


ミーコの言うとおり、ちゃんと事実を確かめるべきなのかもしれない。



「今から、スミレさんのマンションに行って、直接話しするわ」


ミーコは携帯を握り締めて、ブンブンと何度も首を縦に振った。


「うん。そうした方がいいですよ!」

「じゃぁ……」


と、オレはミーコに背を向けた。

だけど、またクルリと振り返る。


「あのさ……」

「はい?」


キョトンとオレを見上げるミーコ。


「お前、今朝、わざと、あんな言い方した?」


「え……」


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