ミル*キス
「でも、大丈夫そうですね」


そう言って懐中電灯で下から自分の顔を照らす。

にっこり微笑みながら。


その顔、すげー怖いんですけど。


「じゃ、あたし帰りますね」


「は? ちょ、ちょっと待って」


思わずミーコのレインコートを掴んでしまった。


その瞬間、軽くめまいを起こす。

さらに熱が上がった気がして、その場で崩れるようにうずくまった。





「大丈夫……じゃない……ス。助けて」


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