ミル*キス
ゆらぎ
――なんでこんな非常時に楽しそうにしてるんだ?
なんかこいつって、人類が滅亡しても一人だけ生き残るヤツのような気がする。
生命力強そうっていうか……。
「どうせなら、停電を楽しみましょう♪」
パンッと手を叩くとミーコは家中にあるろうそくを集め始めた。
その数10数個。
その全部に火をともす。
とたんにオレ達の周りだけが明るくなった。
「うわぁ……なんかクリスマスみたいじゃないですか?」
オレのすぐ傍でカーペットにペタンと腰を下ろしているミーコがはしゃぐ。
「あたし、ろうそくの灯りって好きなんです。なんか落ち着きますよねー」
テーブルに肘をついて、うっとりした目で眺めている。
オレはポツンと呟いた。
「1/f(fぶんのいち)ゆらぎ」