ミル*キス
オレは顔をしかめる。
コイツの話はほんとうにいつもいきなり飛ぶから。
「あれですよ、あれ。ルウさんが言ってたじゃないですか。“大停電の夜に”っていう映画」
「ああ……」
タイトルを聞いて思い出した。
停電の夜に会いたくなるのは誰?っていう映画だよな。
「あの女の人は、元カレか、旦那さんか……どちらを選んだんだろう……」
「さぁ、どうやろうな」
「あたしは……多分だけど」
「うん」
「旦那さんを選んだんじゃないかな……って思うんです」
「……」
「女って多分、男の人が思う以上に前を向いているような気がするんです。過去にどんな思い出があろうと、それはそれとして。今の自分が大事にしなきゃいけないものはちゃんとわかってるんじゃないかな……なんて、恋愛初心者のあたしが何を言う……って感じですけど」
へへっと恥ずかしそうに笑うミーコ。
「これはおばあちゃんの受け売りなんですけど」
「うん」
「みんな過去があって今があるって。
過去に背負ってきたもの全てが今のその人を作り上げてるんだって」
「……」
「だから、今サトシさんが好きなスミレさんにも、過去は必要なことだったんじゃないかな……って思います。うーん……うまくいえないんだけど。スミレさんの過去ごと好きなら大丈夫なんじゃないですか?」
コイツの話はほんとうにいつもいきなり飛ぶから。
「あれですよ、あれ。ルウさんが言ってたじゃないですか。“大停電の夜に”っていう映画」
「ああ……」
タイトルを聞いて思い出した。
停電の夜に会いたくなるのは誰?っていう映画だよな。
「あの女の人は、元カレか、旦那さんか……どちらを選んだんだろう……」
「さぁ、どうやろうな」
「あたしは……多分だけど」
「うん」
「旦那さんを選んだんじゃないかな……って思うんです」
「……」
「女って多分、男の人が思う以上に前を向いているような気がするんです。過去にどんな思い出があろうと、それはそれとして。今の自分が大事にしなきゃいけないものはちゃんとわかってるんじゃないかな……なんて、恋愛初心者のあたしが何を言う……って感じですけど」
へへっと恥ずかしそうに笑うミーコ。
「これはおばあちゃんの受け売りなんですけど」
「うん」
「みんな過去があって今があるって。
過去に背負ってきたもの全てが今のその人を作り上げてるんだって」
「……」
「だから、今サトシさんが好きなスミレさんにも、過去は必要なことだったんじゃないかな……って思います。うーん……うまくいえないんだけど。スミレさんの過去ごと好きなら大丈夫なんじゃないですか?」